高速道路の深夜割引は、長年にわたり夜間の高速道路利用を促し、一般道路の混雑や沿道環境の改善、物流コストの抑制に貢献してきました。
特に「深夜0時から4時の間に少しでも走行すれば通行料金が3割引になる」という仕組みは、多くのドライバーや事業者にとって分かりやすく、利用しやすい制度として定着してきました。
しかしながらその一方で、その単純さゆえに割引を受けるため料金所手前で待機する、いわゆる「0時待ち」やドライバーの労働環境や安全面に課題を抱えていました。
こうした問題を背景に、深夜割引は今その仕組みを大きく見直されようとしています。
では、その変更点を見ていきたいと思います。
本来であれば2024年の運用開始を予定しておりましたが、昨今の半導体不足の影響等から2025年7月へ延期されました。
しかし2025年に大規模なETCシステム障害等もあり再延期されました。
具体的な日時は今のところ決定しておりませんが、2026年度以降の予定となっております。
割引適用時間帯が現行の「0時〜4時」から「22時〜5時」へ時間が拡大されます。
現行は割引適用時間帯に走行すれば全走行分の料金に対して割引適用されていましたが、変更後は割引適用時間帯に走行した分のみの料金に対して割引適用となります。
割引が適用される時間に制限があるため、その間で走れるだけ走ってしまおうと考えてしまいがちですが、割引適用距離に上限が設けられています。
また、走行時間に関しても制限があり、4時間走行ごとに30分の休憩が考慮されております。
例を挙げますと、普通自動車で5時間走行の場合、5時間での上限距離は525kmですが、4時間以上の運転のため30分の休憩分が差し引かれます。
そのため実際の上限距離は4.5時間分となり472.5kmが割引対象となります。
ですので5時間でこの距離以上を走行しても超過走行分は割引されません。
現行では、100〜200km未満は25%割引、200km以上は30%割引となっていますが、変更後は、400km超の長距離利用で割引率が段階的に拡大されます。
800km超で最大の5割引(通常料金に対する減率)となります。
現行では、出口料金所で割引後の金額が表示され即時割引となっていますが、変更後は、出口料金所では通常料金が表示され後日割引分が還元される仕組みに変わります。
ここで重要なのは、還元方法が「ETCマイレージサービス」または「ETCコーポレートカード」による還元に変わるということです。
・ETCマイレージサービス
ETCカードを使って高速道路を利用すると、通行料金に応じてポイントが貯まり
貯まったポイントを無料通行分(還元額)に交換できる個人・法人向けサービス
クレジットカード会社発行のETCカードが対象
対象:個人利用者 法人・個人事業主
還元方法:ポイントで還元(走行月の翌月20日の付与)次回走行時にポイント分が割引される
登録無料・年会費無料 インターネットで申込可能
・ETCコーポレートカード
企業・個人事業主向けに発行される高速道路専用の後払いカードで、高速道路会社から直接請求される
一定条件を満たすと大口・多頻度割引が適用される
クレジット機能は無し
対象:法人・個人事業主(審査有、個人名義では不可)
還元方法:割引後の金額で請求
「ETCマイレージサービス」であればポイントで還元、「ETCコーポレートカード」であれば割引後の金額で請求となります。
これらはどちらも事前登録が必要で、未登録の場合割引が適用されないということになります。
うっかりしてると割引になっていないなんてことにもなりますので、登録がまだの方は早めの登録をおすすめします。
登録にはETCカード、車両ナンバー、ETC車載器の車載器管理番号が必要となります。
車載器管理番号は車検証入れに「ETC車載器セットアップ証明書」が入っており、そちらで確認することができます。
入っていない場合は、ETCセットアップをした店舗に問い合わせるか、また車載器本体にも記載がありますので確認が可能です。
ただし車載器本体で確認する場合は本体裏側に番号が記載されていることが多いので本体を取り外す必要があります。
ETCの深夜割引の仕組みが変更となります。
割引適用時間は拡大されますが、割引を受けられるのは対象時間を走行した分のみとなり、割引の仕組みも複雑化しております。
また、事前登録が必要な事やポイントで還元の場合、次回走行時に割引のため普段あまり高速道路を利用しない方だと割引の恩恵を感じにくいかもしれません。
経理の処理も複雑になりそうです。
体感的に改悪されたと感じるケースが多いような印象です。
「0時待ち」の解消にはつながるかもしれませんが、新たな問題も発生しそうな気します。
担当:指宿