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ETC2.0の機能と特徴

まず、従来のETCとは「Electronic Toll Collection System」の略称で、有料道路の料金所渋滞を解消するために、ETC車載器とETCカードによって自動で料金を精算するシステムのことを言います。
主要な有料道路でのETC利用率は約90%近く、料金所も現金支払いよりETCレーンの方が多くなり、現金支払いのレーンが端にあるのも見慣れました。
ここまで普及した要因の一つに高速料金の割引があると思います。「1,000円高速(休日特別割引)」は記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。

このETCの進化版ともいえるのが、ETC2.0です。ETC2.0は、これまでのETC車載器の自動精算だけでなく、通信機能を大幅にアップさせたDSRC(専用狭域通信)というものを利用し、全国の高速道路等に設置されている「ITSスポット」という通信用アンテナとの間で、高速・大容量の相互通信を自動的に行います。
このITSスポットとのデータ受信では最大1,000kmまで交通情報が分かります。従来のナビのアンテナでは約200kmまでが対応範囲でしたが、ETC2.0対応のナビを設置することによって、より遠くの交通状況を判断し、より最適なルートでの案内が可能になります。
また、雪や濃霧などの天候情報・ルート先の落下物・カーブ先の渋滞情報など、より多くの情報を事前に察知できるようになり、より安全な運転が可能となります。

また、ETC2.0利用者への高速道路料金割引も実施される予定(圏央道「茅ヶ崎JCT〜海老名JCT、海老名〜木更津JCT」、新湘南バイパス「藤沢〜茅ヶ崎JCT」 は実施中)です。
実施される割引の内容によってはETC2.0も急速に普及するかもしれません。

その他にも民間サービスの幅も広がるとされており、例えば「駐車場の料金精算」・「ドライブスルーでの決済」・「ガソリンなどの燃料代の精算」などがETC2.0で実現する可能性があるようです。

良いことばかり記載しましたが、デメリットとしては費用が通常のETCに比べて高いということです。
通常のETC車載器は1万円〜2万円程度で取付が出来ますがETC2.0対応の車載器は3万円〜5万円程度となり、更にナビを連動させるためにはナビもETC2.0対応機種でないとならないため、その交換まで含めると十数万円は必要になってしまいます。

また、ETC2.0対応機種でも「2015年6月30日より前に購入、セットアップを行った」場合、そのままでは新しいETC2.0のサービスを受けることができないので、注意が必要です。利用するためには、再セットアップが必要で費用も数千円かかります。

冒頭に記載した「1,000円高速(休日特別割引)」のような施策がETC2.0でも実施され、話題が多くなれば普及も思っているより早まり、車載器の値段も徐々に下がってくるのではないでしょうか。
それに伴い民間サービスも広がってくれば「車を降りずに」「お金を持たずに」快適な運転ができるようになるかもしれません。

担当:谷津田

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